海鳴市市街地 時刻3:21 「あれ?」 「? どうしたの?」 学校の帰り道、といっても、途中までは近くのバス停までバスなのだが。 聖祥大学付属小学校に転入してから数日が経ったとフェイトが歩いていると、 急に足を止めたが空を見上げていたので、フェイトが不思議そうに彼を見る。 「……一雨きそうだね」 「?」 フェイトはまだ不思議そうな顔をして空を見上げる。 先程まで青空だった空はほぼ八割方雲に覆われていた。 「でも、雨を降らせるような雲には見えないけど」 「ん〜……空気がちょっと湿ってきてるし、雨独特の匂いみたいなのも混じってきてるから」 「そうなのかな」 がそう言うのを聞いて、フェイトは深呼吸をしてみる。 ちょっと湿気というかなんというか、そんなものが混じっている気がする……ようなしないような。 「えーっと、急に雨が降り出すのってこの世界じゃ……夕立ちって言うんだっけ?」 『それは夏という季節で夕暮れに急に降り出す雨の事だ』 『今は冬だから、土砂降りの方が合ってそうね』 「あれ? そうだっけ?」 念話で返してきたとの答えに、は首を傾げている。 「、今日の授業で先生が言ってたよ? それ」 『なんで俺とが覚えててお前は間違ってるんだ』 『、そんな事じゃテスト大変な事になるわよ』 「うっ……」 が二人にダメ出しされてガクッと肩を落とす。 ちなみには勉強がかなり苦手で、学校の授業はちんぷんかんぷん。 特にひどいのが算数と理科だったりするのだが、魔導師であるがその二つが苦手なのははっきり言っておかしい。 魔法は血の繋がりでできるとかではなく、この世界で言えば数学や物理といった理系的な知識があって初めて魔法を組み立てられる。 なので、魔法を使うには最低上記二つの知識は必須なのだが、は思い出した感覚で使っているだけなので、特に問題はない。 さらに魔法の式を組み立てたり微調整をしているのはとなので余計にである。 「、勉強は私でも教えれるし、なのはもアリサもすずかも皆頭が良いから大丈夫だよ」 落ち込んだを慰めるようにフェイトが言う。 「フェイト……ありがと〜」 それを聞いたが瞳を潤ませて子犬みたいに礼を言う。 「う、うん……(可愛い……)」 そこまで考えて、男の子に対して可愛いはどうかと思ったフェイトだが、実際はかなり中性的な顔立ちをしている。 ユーノよりはマシと言えばマシだが、これで髪が長くて女の子の服でも着せればまず男の子とは思われないだろう。 そんなこんなをしていると、空から冷たい雫が降ってきた。 「あちゃ〜、降ってきたかな?」 「の予想が当たったね」 「当たって欲しくなかったんだけどなぁ」 「それは……そうだね」 『……早く帰った方がいいんじゃないのか?』 どうにもマイペースな二人にが一応忠告する。 「うん、ってうわ! 急に降ってきた!?」 「走ろう!」 「うん!」 空からかなり大粒の雨が篠突くように降り出したので、とフェイトは駆け出す。 転移魔法を使えば一瞬なのだが、人の目がどこにあるかわからないので、使う訳にもいかなかった。 『これが土砂降りというやつか、たしかに凄い雨だな』 『この姿も意外と便利ね〜、濡れても関係ないわ』 『……』 『なに? 』 『いや、なんでもない』 つい最近この姿が不便だと言ってたのはどこのどいつだ、と言ってやりたかったが、後が怖いのでやめておいた。 を怒らせたらハッキングやらなんやらをされかねない。 いつの世も、男は女より弱いのだった。 海鳴市市街地ハラオウン宅 時刻3:33 「……寒い……」 「酷い目に遭ったねほんと……」 フェイトがとりあえず思った事を口にして、はやっとの事でマンションに着いたと思ったら、 その瞬間に止みだした雨に若干腹を立てて空を睨みつけていた。 これも気紛れな神様のいたずらなのかなんなのか。 《とりあえず着替えないと風邪ひくぞ》 「わかってるよ……うぅっ寒い……」 家に戻ると、はに言われたとおり自分の部屋に服を取りに行く。 真冬の冷たい雨をたっぷり吸い込んだ制服は、どんどん体温を奪っていく。 なかなか保温性の高い出来の良い制服も、こうなってしまっては形無だった。 家の中なら警戒する事もないので、今はももふわふわと浮いている。 そんな時、はテーブルの上に紙が置いてあるのに気づいて近寄る。 それを少し遠くから見ていただったが、数秒後にが怪しく光ったのを彼は見逃さなかった。 《フェイトはシャワーでも浴びてらっしゃい、女の子が体を冷やしたらだめよ》 「え? あ、うん」 リビングに置いてあったタオルで髪の毛を拭いていたフェイトは、に言われた通り素直にシャワーを浴びに行く。 彼女も相当寒いらしく少し震えていたが、心地の良い温かいお湯は、冷えた体にはこの上無くありがたいものだ。 別にフェイトが断る理由はないのだが……はなにか引っ掛かって仕方がなかった。 《、その紙には何て書いてあるんだ?》 《別に大した事じゃないわよ》 《……じゃあなんで邪魔をするんだ》 が近づいて紙に書いてある事を読もうとしたが、あと少しで見えそうなところでが立ちはだかった。 の待機状態はリング状なので輪っかから見ようと思えば見れるのだが、如何せん距離があり過ぎて文字までは読めない。 《、細かい事気にしてるようだとこの先生きていけないわよ》 《何の話してるんだお前は……》 《遅いわね、ちょっと見てきてくれる?》 話逸らしやがったぞこのデバイス。 いや、まぁ自分もデバイスなのだが。 《あいつも服くらい自分で着れる、だから紙の内容を読ませろ》 《しつこいわよ》 《……ならリンディ達はどうした、いないみたいだな》 一瞬から殺気を感じたのでこれ以上は危険と判断したは聞く内容を変えた。 《クロノ以外出かけたみたいね》 《クロノ以外? だがいつ奴らが現れるかわからないだろ、ていうか紙に書いてあったのはその事か?》 《そうよ?》 ふと気づいたが尋ねると、は随分あっさりと答えた。 《じゃあなんで隠す必要があるんだ》 《……ほんとに遅いわね》 怪しい、怪しすぎる。 絶対なにか企んでるぞこいつ。 《おい、いい加減に――》 《ちょっと黙ってなさい》 そこでの記憶は途切れた。 「? なんか今妙な魔力感じ……ってどうしたの?」 魔力反応に気づいてリビングに戻ってきたは床に転がっているを不思議そうに見る。 《ちょっと寝てるだけよ。それにしても遅かったわね》 「え、あ、うん……クロノの奴、いくらドア叩いても出てこないんだよ、返事もしないし鍵もかかってるし……」 またが怪しく光ったが、戦闘時以外妙に鈍いはそれに気づかなかった。 《クロノも疲れてるのよ、寝かしといてあげなさい》 「そっか、そうだよね」 そう言って納得したらしいは冷蔵庫から水の入ったペットボトルを取り出す。 『あの…………』 『どうしたの? フェイト』 そんな時、かなり控え目、というより恥ずかしがっている様なフェイトの声が念話を通じてに聞こえてきた。 それを予測していたかのように、は妙に嬉しそうに返事をする。 『えと……その……アルフ呼んでくれないかな……』 『どうしたの?』 『なんだか繋がらないみたいで……』 『アルフは今お出掛け中よ』 『えっ……じゃあリンディさんかエイミィは……』 『二人ともお出掛け中ね』 『ど、どうしよう……』 『フェイトはどうしたのかな〜?』 が人の姿をとれるなら今の彼女の表情は最高の笑みを浮かべているだろう、それはもう色んな意味で最高に怖い笑みだ。 なぜフェイトが困っているのか、そんな事は当然だが知っている。 むしろこうなる様に仕組んだのだ、フェイトには少し悪いが、悪戯心の方が良心より遙かに強いので仕方ない。 『……髪が洗えない……』 フェイトは相当恥ずかしいのか消え入るような声で答えた。 そう、彼女は自分一人では髪を洗えないのだ。 身長と同じくらいあるそれはもう長過ぎるくらいの髪なのだから、彼女の小さな手では洗い切れない。 なので、いつもはアルフ、たまにリンディかエイミィに手伝って貰っていたのだが・・・。 『そうねぇ、私はデバイスだから当然無理だし、クロノは疲れちゃって寝てるから……にお願いするしかないわね』 『……?』 フェイト、約五秒思考停止。 ちなみには物凄く嬉しそうに且つ楽しそうに喋っている。 『え!? あの! その!? !?』 五秒後、見事に大混乱。 『大丈夫大丈夫、フェイトはちゃんと待ってるのよ〜』 『あ、あのそのえと!? ちょっと待っ……』 問答無用で念話中断。 《》 「?」 口に水を流し込んでいるが、急に呼びかけてきたの方を見る。 《今からフェイトの髪洗うのを手伝ってきてあげなさい》 「……?」 、同じく五秒思考停止、で、その直後。 「ぶはっ!?」 見事に吹いた、そりゃもう盛大に。 「ちょちょちょっ?! なんで僕が!?」 大慌てのに対し、はというと、 (も流石に理解はしてるみたいね〜、ちょっと安心したわ) と、そんな事はどこ吹く風で妙に納得していたりする。 恋愛感情には無縁のだが、一応男と女の違いくらいは認識しているらしい。 「アルフはいないの!? リンディさんは?! エイミィさああああん!?」 がここまで取り乱すのは珍しいので、ついつい面白くてそれを見てしまう。 でも流石に待ってるフェイトが可哀想なので、三人は出かけたと伝えてやった。 《しょうがないでしょ、三人ともいなんだから。ほら、女の子を待たせるもんじゃないわ》 「うっ……でも、フェイトは嫌なんじゃ……」 《聞いてみればいいわ。ほら、早く行きなさい!》 「うぅ……」 そう言って不安と緊張という厄介者を背負いながらは風呂場に向かっていく。 《これで少しはも恋に目覚めてくれたらいいんだけど……》 実年齢は16か、はたまた18かくらいだと思われる。 しかし、超が付く程朴念仁且つ精神年齢の幼いに恋愛感情を期待するのは、多少無理がある気がする。 そんな事はおかまいなしに、手加減なしで魔力波を叩き込んで沈黙させたをどうしようかと悩むだった。 「えっと……フェイト?」 「……うん」 なんとか勇気を出して話しかけてみると、かなり間を置いてフェイトが消え入るような声で答えた。 「あの、その、髪を洗うの手伝えって言われたんだけど……」 「……う……ん」 「その、大丈夫……かな?」 「……うん、大丈夫……」 「そ、そっか……。じゃあ入るから……えっと、タオルで……その……」 「……それは……もうしてるから……」 「じゃ、じゃあ入るよ」 扉を開けると、風呂用の椅子に座って反対方向を向いているフェイトがいた。 幸いな事に、フェイトの長くて綺麗な金色の髪が彼女の体を隠してくれていたので、それだけでほっとしただった。 が、問題はここからだ。一体どうすればいいんだろう? わかるはずもない、は女の子の髪を洗った事なんてないからだ。 いや、まぁ普通に考えてもないだろうが。は自分の髪はさっと洗うだけで終わらしている。 しかし、フェイトがお風呂に入るとかなり長い時間出てこないのだ。 それはフェイトに限らず、リンディもエイミィも、意外だがアルフだってそうだ。 「えっと……どうしたら……」 「あの……最初はシャワーで髪を濡らして……」 問いかけられたフェイトは一瞬こちらに振り向きかけたが、恥ずかしいのかすぐに顔を戻した。 一瞬見えた彼女の耳はもう真っ赤だったが。 「あ、ああ、うん、わかった」 とりあえずシャワーでフェイトの髪を濡らしていく。 なんだかもうそれだけで本当に綺麗でサラサラで凄く良い香りが……って何考えてるんだ僕は! 自分を落ち着かせるように二・三回深呼吸する。 それにしても、髪を充分に濡らし切るだけでかなり時間がかかった。 フェイト、いくらなんでも長すぎるんじゃ……とも思ったが、エイミィが前に、 「髪は女の子にとって命なんだよ!」 と、豪語していた事を思い出して言うのをやめた。 それに、なんだか失礼な気もしたし、僕はフェイトの髪が好きだ。 ほんとに綺麗で、風になびく度美しく舞うあの金色の髪が。 そういや、前にアリサがフェイトの髪を見て羨ましがってたな〜、とか呑気に考える。 「あの……?」 「へ?」 どうやら考えに浸ってしまったらしく、ボーっとしていたらしい。 フェイトが少しだけこっちを向いて尋ねてくる。 相変わらず耳まで真っ赤だが、大分緊張もほぐれている様だ。 「あ、ご、ごめん。次はどうしたらいいかな?」 「えっと、シャンプーで……」 「わかった」 最初はどうなる事かと思ったが、案外なんとかなりそうだ。 とにかく優しく丁寧にやってれば大丈夫そうだし、ここまできたらやってやるさ! ここでも変に負けず嫌いなところがあるは、フェイトにシャンプーハットを被せる。 そして、シャンプーをかなり多めに手に出して泡立たせてから、丁寧に丁寧に、まるで壊れ物を扱うかのように洗っていく。 「痛くない? かゆいところとかないかな?」 「大丈夫だよ、ありがとう」 フェイトの声が、最初に聞いた時の緊張だけのものじゃなくて、安心感たっぷりだったのでもほっとする。 それからは、フェイトが自分で洗えるところは洗って、僕は彼女が洗えないと言うところを洗っていった。 「ん、こんなもんかな」 「うん、そうだね」 洗い終わって、フェイトも満足そうに答えてくれたので、あとはお湯で流すだけ。 シャワーでこれまた優しく丁寧にシャンプーを洗い流していく。 「よし! できた!」 「ありがとう、」 やけに喜んでしまった事に少し照れていると、フェイトがこちらを向いて微笑んでいる。 その笑顔は、お湯で濡れているせいか、まぁそれでなくても凄く綺麗なんだけど……なんだか艶っぽくて……。 いつもツインテールにしてある髪も今は下ろしてあって……それもまた似合ってて……、僕はただボーっと見惚れてしまった。 「えと……そんなに見られると恥ずかしいよ……」 「え? あっ、ご、ごめん! じゃ、僕はこれで!」 フェイトが恥ずかしがっているのに気付いて、僕も妙に恥ずかしくなって急いで外に出ようとする。 でも、それが悪かったみたいで、シャンプーの泡とお湯で滑りやすくなった床に見事に足を持っていかれてしまった。 「うわっ!?」 「え?」 豪快に転んでしまったせいか、結構大きな音が風呂場に響き渡る。 「いてて……ごめんフェイ……と……」 目を開けると、フェイトの上に倒れ込んでしまったらしくて、で、僕はフェイトの上に覆い被さるようになってて……、 下敷き状態になってしまっているフェイトはもう真っ赤で……しかもタオルが……ってええええええ!? 「……」 慌ててどこうと思った僕にフェイトがなんだか今まで見た事もない、困ってるような……でもちょっと違う、なんだか不思議な目で僕を見つめてて、 僕の名を呼んだ声も、今まで聞いたの事ない声色で……僕は金縛りにあったみたいにピタッと動きを止めてフェイトを見つめ返してしまった。 なんかもう色んな意味でやばくなりそうになった時、 「どうしたんだ!? 今凄い音がし……た……ぞ……」 寝ぐせで髪の毛がボサボサのクロノが飛び込んできて、んで固まった。 何しに来たんだお前は。 で、そんな事を妙に冷静な頭で考えてると、クロノがいつの間にかS2Uを起動させていた。 そりゃこれどっからどう見ても僕が押し倒してるように見えるよね。 「いや、あのさクロノ。これには色々と訳が……」 「訳か、それなら外で聞いてやるからさっさと出て来い」 あぁ、なんかもうどうでもいいや。 半ば自暴自棄で外に出てクロノと約一時間追い駆けっこをして、フェイトの放った雷がクロノに直撃した。 その後、なぜか全部記録していたがアルフとリンディさんとエイミィさんに出血大サービスで公開してしまった。 おかげで今度はアルフに二時間程追っ駆け回されて、フェイトが事情を説明してやっと収まったと思ったら次はリンディさんとエイミィさんの質問責めに遭った。 僕の思考が正常なら多分三時間くらいだったと思う、質問会と言う名の拷問を受けた僕は自室に戻ってベットに倒れ込んだ。 なんかもうこのまま死ねそうだ、疲れたよパトラ○シュ……あぁ、色んな意味でもうだめだ僕……。 そんなこんなでほんとに天に召されかけた僕を呼び戻したのは、僕を連れて行こうとした聖なる天使も顔負けの天使だった。 「、大丈夫……?」 「ああ……うん……大丈夫大丈夫……元気だよ僕は……」 明らかに大丈夫でも元気でもない、むしろ死にかけだ。 「あの……ごめんね、私のせいで……」 「へ?」 「私がちゃんと一人で洗えないから……」 少しモジモジしながら恥ずかしそうに言うフェイト。 ……ああもうなんか可愛いなぁくそ! 「フェイトが謝る事ないって。 僕でいいならいつでも力になるから、ね?」 は疲れ切った体を起してベットの上に座り、できる限り優しくフェイトに語りかける。 ……微妙にまた洗ってやると言っているように聞こえないでもないが、現在思考が少々(というか相当)おかしいにそんな事を考える余裕なんてない。 「うん……ありがとう……」 「どういたしまして」 ただ、フェイトはしっかり頭が回っている為に見事にそう受け止めてしまった。 その為に一気に耳まで真っ赤になってしまって、はそれを見て頭に?マークを浮かべる。 「そ、それじゃ、お休み……」 「うん、お休み、フェイト」 そう言って、足早に立ち去って行ったフェイトに首を傾げながらも、未だに沈黙を保っているをどうしたもんかと悩む。 ちなみに元凶のは今もリビングでリンディとエイミィと喋りまくっている。 管理局が誇る最新鋭の対魔力弾迎撃用自動連射砲も顔負けのマシンガントークで、だ。 とりあえず、今日の事は例えどんな事があってもアリサにだけは知られないようにしないと、と考えて素直に睡魔に身を任せただった。 (……の手、温かくて優しかったなぁ……) フェイトは布団を頭まで被って今日の事を思い出す、が、思い出しただけでもう沸騰しそうな勢いだった。 あの時、クロノが来なければ自分は何をしていたかわからない、その何が何かはよくわからなかったが。 それくらい、あの時の自分はおかしかったとフェイトは考える、が、が意外にも凄く反応してくれたのが嬉しかった。 じっと、自分だけを見つめてくれていたから、なのはでもアリサでもすずかでもない、自分だけを……。 そこまで考えて、もうこれ以上はほんとに頭から湯気が出かねないと本能的に判断したフェイトは、いつも枕元に置いているぬいぐるみを抱き締める。 それは、が自分にとプレゼントしてくれた、アルフと……リニスの面影を持つあの子犬と子猫のぬいぐるみだった。 (……また……に洗って欲しいなぁ……) 心地良い睡魔が襲ってくる中で、フェイトはふと、そんな事を考えていた。 ちなみにメモの内容は、 ――、今日はクロノは残ってるけど、フェイトさんと君をよろしくね。 あの二人をなんとかからませてあげて欲しいのよ〜。 ――私からもお願いするよー! それでいーっぱい色恋沙汰の話をしようじゃないの! 今からでもワクワクしてきたなぁ。 だったとかじゃなかったとか。 あとがきらしきもの 優「それじゃこれにて終了! んでわ!」 ク「まてえええええええええええええ!!」 優「なにかなクロノ君、僕もう自分で書いててなんだけど恥ずかしくていてもたってもいられないんだけど!!」 ク「更新遅れといて詫びるのもなしかお前は!」 優「いや、それはほんとにごめんなさい黒影様……10000HITのご希望内容をまた教えて下さいね!」 「なんか今回は突っ込む気力もないよ……フェイトなんて恥ずかしがって出てこないし……」 優「僕も穴があれば入りたい」 ク「埋めてやろうか?(満面の笑顔でS2Uとデュランダルの二刀流)」 優「……マジで死ぬってそれ……」 SS置き場へ戻る |